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2009-07-22

長唄と三味線

三味線
<紅木三味線と撥>
去年の暮れから文楽を観るようになったのだが、義太夫節の三味線への憧れが昂じてネットで見つけた長唄の先生に三味線(*)を習い始めることに。お稽古に通い始めて約2ヶ月、最初の練習曲である「松の緑」を危なっかしいながらも最後まで弾けるようになったのを機会に、思い切って自分の楽器を買うことにした。あれこれ迷った末、先生や豪徳寺の邦楽器「亀屋」の若旦那に薦めていただいた「紅木」製の三味線を手に入れることができた。写真では分かりにくいが、練習用にお借りしていた「花林」材の楽器に比べると棹の材質が高密度で重く硬く、そして色ツヤもグッと深みがある。実際に弾いてみると全体としてとても大きな音で鳴ってくれる。特に高音域に温かみと伸びを感じられ、瞬く間に虜になった。習い始めてわずか数ヶ月。三味線のお稽古もさることながら、一番の課題はいかに長く正座し続けられるかということ。本当の修行はまだまだこれからだ。

*義太夫節では主に太棹三味線が用いられるのに対して長唄や小唄では細棹が一般的だ。しかし義太夫の、ましてやその三味線となるとなかなか習う機会を得るのは難しい(と思う)
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2009-06-10

歌舞伎「女殺油地獄」

片岡仁左衛門、一世一代の「女殺油地獄」を観させていただいた。武士の無礼打ちを恐れる臆病、継父に対する反発と憧憬、それでいて両親の真心を漏れ聞いて流す涙、そして最期は借金逃れのためなら人殺しすら辞さない冷血漢、目まぐるしく変転する河内屋与兵衛の人格を巧みに演じ分け、最期は阿修羅の形相で床一面にこぼれた油にまみれてながら、命乞いをする若き人妻を刺し殺すまでを一気呵成に演じきる仁左衛門の凄み。背中にぞくっとするものを感じたところで幕となった。
文楽2月公演では勘十郎が遣う与兵衛の人形ならではの大暴れに感動し、やっぱり人形の方がよっぽど人間臭いやぁと思ったが、どっこい生身の人間が演じる与兵衛のド迫力に圧倒された。
プロフィール

瑠璃松(無住庵 庵主)

Author:瑠璃松(無住庵 庵主)
蕎麦屋案内サイト「蕎麦三昧」庵主が伝統芸能(文楽、能楽、歌舞伎、長唄など)と歴史と文化の国「イタリア」について熱く語ります!
蕎麦に関する記事は拙ブログ「そば処探訪 名店の今昔」に転載、新しい記事もそちらにアップして行きます。

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