2009-06-10
歌舞伎「女殺油地獄」
片岡仁左衛門、一世一代の「女殺油地獄」を観させていただいた。武士の無礼打ちを恐れる臆病、継父に対する反発と憧憬、それでいて両親の真心を漏れ聞いて流す涙、そして最期は借金逃れのためなら人殺しすら辞さない冷血漢、目まぐるしく変転する河内屋与兵衛の人格を巧みに演じ分け、最期は阿修羅の形相で床一面にこぼれた油にまみれてながら、命乞いをする若き人妻を刺し殺すまでを一気呵成に演じきる仁左衛門の凄み。背中にぞくっとするものを感じたところで幕となった。
文楽2月公演では勘十郎が遣う与兵衛の人形ならではの大暴れに感動し、やっぱり人形の方がよっぽど人間臭いやぁと思ったが、どっこい生身の人間が演じる与兵衛のド迫力に圧倒された。
文楽2月公演では勘十郎が遣う与兵衛の人形ならではの大暴れに感動し、やっぱり人形の方がよっぽど人間臭いやぁと思ったが、どっこい生身の人間が演じる与兵衛のド迫力に圧倒された。
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