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2009-12-13

伊達娘恋緋鹿子 (だてむすめこいのひがのこ)

八百屋お七が火の見櫓の半鐘を打ち鳴らして、江戸の木戸木戸を開かせ、恋しい男の命を救おうとするお話。井原西鶴の「好色五人女」にも出てくるお七のほとんど狂気ともいえる烈情の描写に凄みがある。特に人形のお七が櫓の梯子を上りながら、ぐっと見返って見栄をきるシーンには「ゾクッ」とさせられる。文楽12月公演ではやっぱり彼女の大胆かつ身勝手な活躍を描いたこの段が一番の見所か。それにしてもその前の八百屋内の段をやった呂勢大夫(豊竹)は若手の中でも非凡な才能と美声に恵まれた逸材のひとりとお見受けする。確かテンペストでは我があこがれの清治の三味線にのって演奏していたのは彼ではなかったか。昨日の三味線は清介だったが、彼の独特の面構えと相俟って他にはない味があった。

さて今年の文楽もこの12月公演が最後。来年は1月の大阪の初春文楽公演からスタート。2月は東京の国立劇場で「曽根崎心中」がかかるので今から楽しみ。そして4月は再び大阪で蓑助の文化功労者顕彰記念公演として「妹背山婦女庭訓
(いもせやまおんなていきん)」が通しでかかる。これも見逃せないなぁ~。かくて文楽三昧は続く・・・。
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私も呂勢大夫がひいきです

●呂勢大夫を追っかけ(?)て十数年になる、一ファンです。
今月の舞台を評価して下さって嬉しい限り。毎月の大きい
役につぶされることなく、しっかりとした語りぶりは頼もしい。
どうかさらに精進をと祈りつつ、毎月、どこかの劇場の床下
で聴き惚れています。

呂勢大夫が逸材であることは早くから注目されていました。
しかし彼は師匠運に恵まれず、南部大夫、呂大夫を早くに
して失いました。
次代を担うのは千歳か、それとも呂勢か、というとき、清治
は呂勢大夫を選びました。鍛え甲斐がある、そして、可能
性がより大きい、と判断したのではないか、と思います。

●ともあれ、これからこまめにこのブログをチェックします。
ちなみに私の趣味は伝統邦楽(一番好きなのは清元)と、
麺類と、イタリア。これだけの共通項がありながら、どうして
いままで「風姿探訪」に気づかなかったのか…。ではまた!

Re: 私も呂勢大夫がひいきです

梅枝郎 さん

コメントありがとうございます。小生は文楽を観るようになって僅か1年足らず。昨年の鑑賞教室「寺子屋」からの入門です。某大夫さんの伝で以来半蔵門と日本橋に通い詰めております。挙句の果てに5月からは長唄ではありますがお三味線も習い始めました。ろく弾けもしませんがそれでも「床」を見ると「きっとあそこに紋付袴で座って弾いたらどんなに清々とした気持ちになれるだろう」って夢想してしまいます。
そんなこんなの伝統芸能三昧でございますが、どうぞこれからも宜しくお願い申し上げます。


> ●呂勢大夫を追っかけ(?)て十数年になる、一ファンです。
> 今月の舞台を評価して下さって嬉しい限り。毎月の大きい
> 役につぶされることなく、しっかりとした語りぶりは頼もしい。
> どうかさらに精進をと祈りつつ、毎月、どこかの劇場の床下
> で聴き惚れています。
>
> 呂勢大夫が逸材であることは早くから注目されていました。
> しかし彼は師匠運に恵まれず、南部大夫、呂大夫を早くに
> して失いました。
> 次代を担うのは千歳か、それとも呂勢か、というとき、清治
> は呂勢大夫を選びました。鍛え甲斐がある、そして、可能
> 性がより大きい、と判断したのではないか、と思います。
>
> ●ともあれ、これからこまめにこのブログをチェックします。
> ちなみに私の趣味は伝統邦楽(一番好きなのは清元)と、
> 麺類と、イタリア。これだけの共通項がありながら、どうして
> いままで「風姿探訪」に気づかなかったのか…。ではまた!
プロフィール

瑠璃松(無住庵 庵主)

Author:瑠璃松(無住庵 庵主)
蕎麦屋案内サイト「蕎麦三昧」庵主が伝統芸能(文楽、能楽、歌舞伎、長唄など)と歴史と文化の国「イタリア」について熱く語ります!
蕎麦に関する記事は拙ブログ「そば処探訪 名店の今昔」に転載、新しい記事もそちらにアップして行きます。

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